浅田次郎の書籍を徹底紹介します。


歴史・小説・人生 |浅田 次郎

歴史・小説・人生歴史・小説・人生
浅田 次郎
河出書房 刊
発売日 2005-04-13
価格:¥1,680(税込)




読者の生き方に影響を与える責任を自覚 2005-06-27
 本書に掲載されている対談相手は14人。陳舜臣、宮部みゆき、渡辺淳一など同業者が多いです。作家というと「独自の世界を持っていて、他の作家と話が合わない」と思っていましたが、本書ではお互いの生い立ちや作風について率直に意見を交換し、打ち解けています。きっと、ホスト役の浅田次郎の人がらがそうさせるのでしょう。
 岩井志麻子からは彼女の得意な「岡山県」ばなしを引き出し、中村勘九郎(現・勘三郎)からは歌舞伎の台本を書いてくれと懇願され、くつろいだ対談が展開されていきます。
 対談相手と意気投合することの多い著者ですが、特に山本一力とは「莫大な借金を背負った経験」という共通の話題で大いに盛り上がっています。著者は29歳で一億円の負債を抱えて倒産した体験を語り、山本一力は二億数千万円の借金を返すために作家になろう(?)と決意した苦しい日々をふりかえります。そりぁ意気投合しないわけがありません。
 作家は肉体労働だ、とか、売れっ子になっても注文を断るのはやっぱり怖い、などの共通点を確認しあった二人。最後に最高級のもてなしとして、お互いが大切にしている言葉を披露し合います。
 著者はあるパーティーでの体験――表彰を受けた僻地医療に貢献してきた医師がパーティーを中座するときのこと。「これで失礼します。患者が待っていますから」と言ったことを聞き、著者の胸が震えた体験――から、「自分の読者の人生や生き方に影響を与えるかもしれない」という意識を忘れないようにしたい。「読者が待っている」と普通に言えるようになりたい、という決意を明かしました。
 ゲスト役の山本一力は、しんどい時にずっと支えにしてしてきた「明日は味方」という言葉を明かしました。ひたむきにやっていれば、必ず明日は味方になる。誰にでも来るはずの明日を敵にするか味方にするかで、生き方が全然変わってしまいますから、と。


■続きを読む


この記事は2006/7/16に作成しました。

【浅田次郎の経歴】
1951年生まれ。

1995年『地下鉄(メトロ)に乗って』で吉川英治文学新人賞受賞。

1997年『鉄道屋(ぽっぽや)』で直木賞受賞。

2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞を受賞。

その他著書多数。




あの神田昌典さんの超人気CDがもらえる、フォレスト出版リーダーズクラブはこちら